日本社会の歴史 下  歴史教育者協議会編/大日方純夫・山田朗・早川紀代・石山久男著
 A5判360頁 大月書店 税別2500円 2012年9月28日発行



目次
W 近代

一 「黒船」情報が各地に走った

 ペリー来航―日米交流=^開国と文明化―日本の未来/外圧への対応
  ―二つの道/経済と社会の変動―跳ね上る物価

二 対立・抗争が時代を動かした

 政争の激化―揺らぐ幕府独裁/外国との一戦―攘夷実行の波紋/「世直
  し」と崩れる幕府政治

三 庶民が兵士にされる時代となった

 内戦と権力統一―戊辰戦争から廃藩置県へ/徴兵制と租税改革・殖産興
  業/学校教育と時間の秩序/一揆と士族反乱―開化への反発

四 新政府は外交を定め国境を固めた

 岩倉使節団の派遣―西欧に学ぶ/近代化と国際交流―留学生と御雇外国
  人/日清・日朝関係―東アジアの外交秩序/組み込まれる南と北―琉球
  と北海道(アイヌ)

五 国会開設を求めて運動が高まった

 国会開設の要求―政治参加を求めて/近代日本の基本路線―政変と国会
  開設の詔勅/新しい国家の構想―民権思想と憲法論/演説会と女性の民
  権運動

六 デフレが深まり運動は急進化した

 政党の活動と地方の動き/運動の激化≠ニ衰退/秩父事件/東アジア
  情勢と軍備拡張

七 帝国憲法と家族制度―ジェンダーの政治力学が働いた

 憲法制定と議会開設/条約改正とナショナリズム/「家」の制度と人び
  と/教育の展開と文化

八 日清・日露戦争は日本を大国化≠ウせた

 日清戦争/日英同盟と日露戦争/戦場の実態/戦争と民衆の生活

九 戦争は日本をアジアの支配者にした

 日清戦争後の台湾征服/朝鮮への影響力の拡大/保護国から韓国併合へ
  /大陸支配のはじまあり

一〇 資本主義の発展は社会問題を生み出した

 産業革命/坑夫と女工/鉱毒事件と環境問題/社会主義と大逆事件/ア
  イヌ・沖縄

一一 膨張する日本への批判が強まった

 第一次世界大戦と二十一か条要求/ベルサイユ・ワシントン体制/三・
  一運動と五・四運動

一二 解放を求めて民衆が立ち上がった

 護憲運動と政治の動き/米騒動と社会運動/大正デモクラシーと女性/
  戦後恐慌と関東大震災

一三 不景気と社会不安がひろがった

 男子普選と治安維持法・特高/恐慌―金融恐慌・昭和恐慌/社会運動―
  争議の時代/農村の生活と文化/都市の生活―大衆文化、モボ・モガ

一四 謀略とテロが時代を揺るがした

 満州事変と「「満州」国」/テロとクーデタ―五・一五と二・二六/華
  北分離工作/言論・思想統制の強化

一五 日本軍は中国で残虐行為を重ねた

 盧溝橋事件から南京事件へ/三光作戦と生物化学兵器の使用/日本軍兵
  士による性暴力/重慶爆撃と偽札による経済謀略戦

一六 すべてが戦争に駆り立てられた

 日独伊三国同盟と武力南進路線/アジア太平洋戦争と国民動員/戦時下
  の生活/皇民化―朝鮮・台湾支配

一七 アジアの解放は幻想だった

 「大東亜共栄圏」の実態/空襲・疎開・根こそぎ動員/沖縄戦と住民の
  犠牲/原爆と敗戦

 

W 現代

一 敗戦は日本とアジアの転換点だった

 敗戦の衝撃/ポツダム宣言の意味/国際連合の誕生/植民地の独立/戦
  争責任と戦犯裁判

二 日本の改革は新しい憲法に実を結んだ

 「進駐軍」の占領と日本の改革/女性解放と民衆運動/日本国憲法の成
  立へ/戦後改革の進展と限界/敗戦直後の国民意識と文化

三 米ソの対立が平和をおびやかした

 朝鮮・中国の戦後と米ソ対立/米ソの冷戦と占領政策の転換/沖縄の占
  領と天皇/朝鮮戦争と日本

四 平和への願いが日本を動かした

 日本の独立と日米安保条約/アジアにひろがる平和共存の波と逆流/母
  親大会と平和運動/新安保条約と安保反対運動の高揚

五 経済成長が暮らしを変え住民運動が活発になった

 高度成長時代の暮らしと女性/都市と工業の発展とその裏側/住民運動
  と革新自治体の誕生

六 沖縄が復帰しヴェトナム戦争が終わった

 ヴェトナム戦争と日本/日韓条約の意味するもの/基地撤去と祖国復帰
  をめざした沖縄/ヴェトナム反戦運動と戦争終結

七 経済大国化が日本の社会と国際関係を変えた

 石油ショックから経済大国へ/経済大国日本の社会と政治のゆくえ/教
  育改革と文化の動向/軍事大国化に反対する民衆運動/自立するアジア
  と平和への動き

八 湾岸戦争は「新しい戦争」の幕開けだった

 テレビで見る「新しい戦争」の戦場/湾岸戦争と日本/変わる自衛隊の
  役割と基地問題/戦争賛美の思想の台頭/変化するアジアと日本の関係

九 暮らしと経済が大きくゆらいだ

 リストラ・就職難・複合不況と「構造改革」/一九九〇年代の「政治改
  革」/橋本内閣で本格化した「構造改革」/一九九〇年代の民衆運動と
  社会

一〇 女性の歴史のニューステイジは可能だろうか

 性別役割分担社会の変化のきざし/女性の雇用労働をめぐる動き/農山
  漁村の女性と自営業の女性/家族のかたちの変化/人権としての性と日
  本軍「慰安婦」問題/ジェンダー格差指数は世界九八位

一一 日本国憲法が再発見される時代になった

 小泉「構造改革」の登場/憲法「改正」に向かう政治の動き/「構造改
  革」と改憲への反撃のはじまり

一二 世界は変化を求めている

  世界のなかの憲法九条/平和と民主主義をめざす世界/核兵器廃絶をめ
  ざす世界/人権が保障される公正な社会をめざす世界/問われる世界の
  なかの日本