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北陸ブロック集会の報告 今年度の北陸ブロック集会は新潟県の担当でした。新潟県ではしばらく長岡市での開催が続いていましたが、今回は新潟市が会場でした。11月14日(土)・15日(日)の2日間の日程で、初日は各県からの報告、2日目はフィールドワークを実施しました。本部の佐藤義弘さんを含めて11名が参加しました(富山2名・福井1名・新潟7名)。初日に各県からなされた報告は以下の通りです。 @「市民とすすめる平和憲法学習」 松浦晴芳(富山) A「私の有生之年〜日中友好のために〜」 斎藤剛(新潟) B「日本の教育制度を問う〜諸外国に学ぶ〜」 小林正弘(新潟) C「チョコレートから見る世界」 清水章孝(福井) @・Aは、すでに教員を定年退職された松浦・斎藤両先生が、これまでに培ってきた知識や経験を基に、ご自身が主体的に担うべき役割を行動に移し、日本や世界の市民・社会に向けて積極的に働きかけ、取り組んできた実践報告でした。知識をいかに意義付けながら行動化していくのか、とても示唆に富む内容でした。Bは、同じく定年退職された小林先生が、世界中のいろんな国々を訪れた中で疑問に感じてきた日本の学校・教育制度を各国のそれと比較・検討し、日本の教育を相対化して位置づけ直すというものでした。世界的に見て、日本の学校の優れた点はもちろん、それ以上に特異で異常な点も多いことが熱く語られました。Cは、『歴史地理教育』(NO.739)で取り上げられたチョコレートの授業に触発された清水先生が、小学生の発達段階を考慮しながら意欲的に取り組んだ実践でした。実践を通しての子どもたちの具体的な感想文も紹介され、単に甘くておいしいチョコレートから、チョコレートを通じて世界の諸問題に目を向けていくという、子どもたちの認識の深まりがよく見て取れるものでした。 報告の後は、恒例の懇親会でした。ビール、新潟の地酒、中国のお酒など、いつものようにバラエティに富んだお酒とつまみで、遅くまで大いに盛り上がりました。懇親会について、新潟の小林正弘先生はいつもこう言っています。「飲み会は岩波新書一冊分に相当する」と。確かに、毎回懇親会の場で博識のある多くの方の話を聞いていると、このことを実感できます。 2日目は、港町・新潟をテーマに、新潟市内の近・現代史を中心とした施設や遺物を半日かけて周りました。風が強くあいにくの天気でしたが、いろいろ訪れてみると、あらためて中国侵略の拠点基地となった新潟の歴史を思い知らされました。 日程的には少し窮屈気味でしたが、有意義で楽しい集会となりました。 (新潟県歴教協 松原 直樹) |
40年を迎えた四国ブロック集会 全国のブロック集会の中でも、四国が一番古いのではないかと思うが、第41回の四国ブロック集会は、2009年11月21日、22日、高知県の中土佐町で開かれた。会場の中土佐町人権啓発センターは、太平洋に面した浜辺にあり、広々とした絶景を眺めながらの研究会となった。 初日、高知県歴教協の開会のあいさつの後、各県事務局からの活動報告、その後、堀口博史常任委員からの本部報告があった。各県からのレポートの1番目は、大柴せつ子さん(徳島県)の「産業革命を支えた紅茶の光と影─高校世界史Aの授業」。比較的教師が自由に授業できる高校世界史Aで、実際に紅茶を飲んでの授業で、生徒たちは印象深かったのではないだろうか。各県から出された世界史未履修問題の県教委の対応の違いには驚いた。2番目のレポートは、石井雍大さん(香川県)「東京裁判で、紙芝居が上演されたことを知っていますか?」。石井さんが長年探していた東京裁判で上演された紙芝居を発見し、それを実演してもらった。戦意高揚に紙芝居までもが利用されたことに驚き、その中身も興味深かった。また、紙芝居の教育効果にもついても話が広がった。なお、特別報告として近藤房子さん(香川県)から「『近現代の歴史検証と東北アジアの未来を展望する旅』と『北海道大会・サハリン現地見学』に参加して」の報告があった。初日は、この後宿舎の「黒潮本陣」へと場所を移し、少し早い望年会となった。 2日目は、竹本千治さん(高知県)「『平和の塔』(朝鮮人労働者犠牲者供養塔)建立までのとりくみ」のレポートから始まった。1992年から行われてきた幡多高校生ゼミナールの津賀ダム朝鮮人労働者の調査と、地元小学生の地域学習のとりくみの発表であった。特に高校生の日韓交流や韓国への調査などを踏まえ、2009年8月に「平和の塔」を地域の人たちや韓国の人たちといっしょに建設するすばらしいとりくみであった。次に、伊藤博文さん(愛媛県)の「ハチドリの歩み〜のむら9条の会の活動から〜」のレポートがあった。地域の9条の会として粘り強く活動を続け、最近とりくんでいる伊方原発でのプルサーマル問題についての発表であった。地元の住民の様子や反対運動、他の原発地域の様子について発言があり、時間いっぱい話は尽きなかった。 現地見学は「津賀ダム慰平和祈念碑の見学と体験者の話」で、体験者としてお話しくださったのは李洋一さん、宮本磨智さん。ダム建設当時の朝鮮人労働者と地元の人々の関係など貴重なお話を聞くことができた。最後に雨の中,「平和祈念碑」を囲み、参加者全員で記念撮影を行って全日程を終了した。 (徳島県歴教協 井内 哲也) |