アピール 昭和天皇を讃え侵略戦争を美化する「昭和の日」に反対する
昨2007年から4月29日の祝日の名が「みどりの日」から「昭和の日」に変わりました。昭和天皇の誕生日だった4月29日を「昭和の日」という名の祝日にしたのは、もともと右翼団体がこの日を昭和天皇を偲ぶ日にしようと運動をすすめた結果です。その中心にいる人物は、南京虐殺はなかった、「従軍慰安婦」に軍の関与も強制もなかった、沖縄戦「集団自決」にも軍の強制はなかったと主張している人々です。
国民の祝日法はこれら右翼の主張を大部分取り入れて、「昭和の日」の趣旨を「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」と規定しました。しかしここには戦争への反省もなく、アジア侵略への反省もなく、侵略戦争の時代も敗戦後の日本国憲法のもとでの時代も、「復興を遂げた昭和の時代」と全面的に肯定し美化しています。それは「つくる会」教科書での昭和天皇の全面的美化と瓜二つです。
したがって「昭和の日」制定のねらいは明白です。それは、侵略戦争で国内外の数千万の人々を犠牲にした責任者である昭和天皇と天皇制の戦争責任を、歴史の事実をねじまげて免罪することであり、「つくる会」教科書と同じように「慰安婦」、沖縄戦、南京虐殺など天皇の軍隊の戦争犯罪を隠すことです。そして、侵略戦争と植民地支配を美化し、国家が行う戦争とそのための軍隊に奉仕する国民をつくりあげることです。まさに憲法改悪のねらいと一体のものということができます。
日本国憲法の下で制定された国民の祝日法は、国民の祝日の意義を「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」としています。「昭和の日」はこの規定にもまったく反するものです。
よって私たちは「昭和の日」を国民の祝日として認めることはできません。私たちは「昭和の日」が右翼勢力・改憲勢力に利用されることのないよう、あくまでも「昭和の日」に反対し続けることを宣言します。
2008年4月20日
「建国記念の日」に反対し思想・信教の自由を守る連絡会
連絡先 歴史教育者協議会(03-3947-5701) 憲法会議(03-3261-9007) |