憲法違反の安保法制を廃止にしよう
安倍自公政権は、9月19日未明、参議院本会議で安保法案を強行採決しました。中央公聴
会・地方公聴会の報告の審議もせずに、手続きを無視し、全国に広がった「違憲の戦争法案
反対」の世論を無視しての強行採決でした。安保法案反対の運動は、学生の SEALDs(自由と
民主主義のための学生緊急行動)や高校生のティーンズソウル、「だれの子どももころさせ
ない」を合言葉に全国50以上に広がった「安保関連法に反対するママの会」、賛同者が1万41
20人になった「安全保障関連法に反対する学者の会」、140の大学に結成された有志の会、レ
ッドアクションの女性行動をはじめ、宗教者、法曹界、教育界なども含め幅広い世代・分野
に広がり、これまでにない新しい動きが展開されました。若い人たちが素晴らしい役割を果
たしたことは、今後の希望です。強行採決後も、諦めることなく「憲法違反の安保法制廃止
を」「アベ政治を許さない」の声を引き続き上げています。歴史教育者協議会も、平和・民主
主義を求めて安保法案に反対する14の研究団体と連名の声明や衆議院強行採決への抗議声
明を出し、会員が各地で反対運動を展開してきました。
安保法成立を強行した安倍政権の政治は、国民の声を無視し、日本の立憲主義、民主主義、
平和主義を踏みにじるものです。特に教育分野では、「戦争する国」づくりのために、教育の
国家統制を強化し、歴史認識を歪曲し、教育の中央集権化を強行しています。教科書検定制
度を改悪し政府見解を書かせる検定を行い、教育委員会制度の改変による首長・教育長主導
の採択制度にしました。また、「道徳の教科化」を打ち出し、特定の価値観を子どもたちに押
し付けようとしています。文部科学省は、国立大学に卒業式・入学式での日の丸掲揚と君が
代斉唱を要請し、教員養成系と人文科学系学部・大学院の廃止か、“社会的要請の高い分野”
への転換を迫る通知を出しました。今年の中学校教科書採択では、教員・保護者・市民の意
思を尊重せずに、育鵬社教科書を採択する地区が増えました。
歴史教育者協議会は宮城/東北大会で、「いまこそ、危機に抗し民主主義を前進させる取
り組みをひろげよう」と全国に呼びかけました。自由と民主主義は、子どもたちの未来が平
和であるための土台です。これからは民主主義と日本国憲法を取り戻すたたかいです。地域
や職場をはじめ多くの方々の共感を得られる取り組みを進めましょう。
2015年9月27日
一般社団法人歴史教育者協議会常任委員会