ジェンダー平等の実現は、2015年の国際連合総会で採択されたSDGsの17の目標の1つです。いまや、ジェンダー平等は、国境を越えて全世界の人々が共通にめざすべき国際的な課題となり、世界でも日本でも社会のさまざまな場面で、その実現に向けた取り組みが進みつつあります。
そして、学校教育の現場でも、社会科をふくめたさまざまな学習活動や学級づくり、生徒会や委員会活動、部活動などでも、ジェンダー平等の保障をめざす試みがなされています。
しかし、他方で、日々のニュースや私たちの身の回りに眼を向けると、ジェンダー平等の理念とは遠くかけ離れた現実があります。国連の女性差別撤廃委員会の勧告にみられるように、日本社会におけるジェンダー平等の実現には、いくつもの課題が山積しているという現状が見られます。
こうした現状を直視し、本号では「ジェンダー平等をめざす社会科の学び」と題した特集を組みました。第1部の「ジェンダー平等に向き合う社会科の授業」、第2部の「現代社会とジェンダーの課題」、第3部の「ジェンダー史学と歴史教育の対話」に寄せられたそれぞれの意見や現場の声に学び、ジェンダー平等の実現をめざしてこれからの社会科の学びを展望したいと思います。