1946年11月3日の日本国憲法公布から80年の今、憲法改悪の危機に直面していま
す。憲法改悪のメインは9条に自衛隊を明記することです。これは「存立危機事態」
になったら、海外に自衛隊を派遣し「戦争」をすることです。高市首相は昨年11月
に、台湾有事は「存立危機事態になり得る」と発言し、中国は強く反発しています
が、現在も発言を撤回していません。
戦後80年、日本はどこの国とも直接戦争しないできた世界の中で貴重な国です。
日本人が戦争で「兵士」として亡くなることはなく、他国の人を戦争で殺したこと
もありません。アジアでは朝鮮戦争・ベトナム戦争など激戦があり、アメリカ同盟
国は軍隊を戦場に送りました。日本政府が自衛隊を戦場に送らなかったのは、戦争
放棄を決めた9条があるという国民世論の力でした。小泉内閣時に自衛隊をイラク
に派遣しましたが、「戦場ではない」という条件付きでした。
日本が恒久的平和主義の戦争放棄の第9条を規定したのは、侵略戦争と植民地支
配、広島・長崎などの非人道的惨禍という加害・被害の犠牲への反省でした。国際
平和を追及したパリ不戦条約の「戦争違法化」の理念を受け継ぐ憲法によって、世
界に誇れる平和国家として存在し、唯一の戦争被爆国として非核三原則(持たない
・つくらない・持ち込ませない)を国是としてきました。しかし今、日本では「台
湾有事は日本有事」と煽られ、中国の尖閣諸島領海接近から、「攻められたらどう
する」と軍拡を支持する国民も過半数になっています。しかし改憲派の人や軍拡を
支持する人とも「戦争させない」では一致できます。
ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ攻撃、アメリカ・イスラエルのイラ
ン攻撃は、国際法を無視した大国の「力による支配」です。第二次世界大戦後の「
法の支配」を担ってきたアメリカ・ロシア・中国の「力の支配」が進む中、軍拡が
広がり核抑止論が唱えられています。戦後も戦争・内戦が続き「武力では平和は守
れ」ず、対話・外交による平和が可能なことをASEAN諸国が証明しています。
1949年創立以来歴史教育者協議会(以下、歴教協)は、民主主義の発展と国際平
和を願って、歴史教育及び研究の創造に努力してきました。歴教協は、子どもたち
を民主的日本の主権者として育む実践を創造し、その中心は国民主権、基本的人権
の尊重、平和主義を原則とする憲法学習です。今、歴史修正主義が歴史の「否定論」
から「陰謀論」になり、「GHQの陰謀論」と、GHQが主導した戦後改革・日本国憲法
を否定する動きもあります。歴教協は、根拠なき「陰謀論」を傍観せず事実に基づ
いて考え、「戦争しない日本」の土台の国際法・憲法を、学校・地域で学び合い進
めましょう。
2026年3月29日 一般社団法人 歴史教育者協議会 社員総会